工具・材料紹介 ヤスリ編

こちらは、接合部の削りに使用します口ヤスリです。


口ヤスリの目立ては、「イバラ目」と呼ばれます、今日では数少なくなったヤスリ職人さんによる手打ちの貴重品で、本数を揃えますと高価になるものですが、当工房で主に扱っております硬い高野竹や矢竹の古竹でも大変良く削れて重宝しています。


こちらは部分的に削りたい場合に使います目立て長さが短い特注口ヤスリです。通常の口ヤスリですと、奥部や中間部のみを部分的に削りたい加工には熟練を要しますが、目立て長さを短かくした仕様ですと、削りたい部分のみを確実に切削加工することができます。


部分切削用の口ヤスリは通常の口ヤスリと併用して使っていますが、使用頻度はこちらの方が多いです。大物用の太径ものから小径の小物用まで一式作っています。




こちらは、小物竿専用の極細の口ヤスリです。


こちらは、大物竿用の大〜特大の口ヤスリです。手元にボルトが付いているものは、シャフトにねじ込んで中浚いヤスリ兼用で使用しています。


大型の口ヤスリは、布袋竹や淡竹用に使いますので、目立てもイバラ目とは別のタイプのものを使用しています。




こちらは、「掻き出し」と呼ばれるもので、接合部の荒削りから仕上げまで使える優れものですが、当工房では、ヤスリはキレの良いものを所有しておりますので、主に接合内部を滑らかにする仕上げ削りや微調整用に使用しています。


こちらは、中浚い用のヤスリです。


中浚い用のヤスリの目立ても「イバラ目」仕様ですが、口ヤスリよりもやや粗目の目立てになります。このヤスリを誂えてから20年間、一度も防錆油を使ってないですが、保存状態は極めて良好で、錆一つ付いてなく今も大切に使っています。でも多湿等保存状態が悪いと直ぐに錆び付きますので保管場所の状態には常に注意が必要です。


こちらは、接合部の研磨や真竹の穂先の削りに使います平ヤスリです。


平ヤスリは、竹細工専用のキレの良いものを使います。因みに当工房で採用頻度の高い真竹穂先の削り仕上げは、サウンドペーパ類は一切使わず、最後は小型のヤスリと竹材を指先に挟んで微妙な感覚を研ぎ澄ましながら研磨して仕上げます。