竹干し風景

 

こちらは、布袋竹、大口径手元材の竹干しです。淡竹や布袋竹は、火で炙る油抜き作業を行ってから天日干しを行います。


こちらは、淡竹の手元材の竹干しです。淡竹や布袋竹の天日干し期間は、干し過ぎますと後々割れ易くなりますので、1ヶ月余りにしています。青味が抜け次第、適宜、吹き通しの小屋での影干しに移行して、4月中旬頃までには、倉庫に格納して長期保存します。


こちらは、大名竹(カンザンチク)の竹干しです。この竹は、当工房で作製しております竿種には直接用いる竹ではありませんが、貴重品である極太矢竹の代用品として、大口径竿の作製途中での仮り口栓など、補助的に使っています「縁の下の力持ち」的、欠かせない竹です。


こちらは、竿ケースや大物竿口栓用の口径26mm〜28mmの極太矢竹材です。大口径の口栓用太竹は、唐竹や大名竹などでも代用出来ますが、矢竹は繊維が緻密で、狂いが少なく表皮も美しい優良材です。口径9分(27mm)以上の矢竹は万に一本の希少材で、口栓だけでも値打ち物です。



こちらは、インロー材用の矢竹材です。インロー用の竹材は、竿母材強度と釣り合いがとれるだけの、最高品質の竹を選定する必要があります。


こちらは、真竹の竹干しです。この竹は、割ったうえで天日干しを行っています。真竹は何処にでも生えているごくありふれた竹ですが、欲しいのは万に1本の極上品だけです。写真の竹は、極めて平滑直ぐで、そのまま切削加工して丸竹ロッドに出来る逸品。根本に近い強度に優れる部分は、和竿用穂先材に用います。



こちらは、同じく真竹の竹干しですが、竿材用ではなく間伐廃材で、布袋竹油抜きの燃料や、火入用備長炭の着火燃料などに利用しています。写真は氷山の一角で、油抜き用には毎年大量に消費してます。



こちらは、高野竹(スズタケ)ですが、この竹だけは天日干しは行ってないです。伐採後、吹き通しの小屋での影干しで、自然に青味が抜けて行きます。その後、4月中旬頃までには、倉庫に格納して長期保存します。写真右は、小物竿用、直径1〜2mm台の極細物稀少品。写真左は、先端から根本まで、そのまま竿に出来る一本物の逸品です。



こちらは、矢竹の竹干しです。写真は、膝より低いタナゴ竿用細物小節矢竹の稀少材。竿用竹材は、どうしても極太物と極細物の入手が難しくなり、矢竹の場合は、小物竿用の5mm未満、大物竿用の25mm超えの物は大変貴重品です。



こちらは、膝から腰程の高さの細物小節矢竹。タナゴ竿、真鮒竿などの小継ぎ和竿や小継ぎ仕様の丸竹ロッドにも使います。



こちらは、同じく腰から胸程の高さの細物小節矢竹。同じく小継ぎ仕様竿全般に使います。


こちらは、背丈超の矢竹。矢竹は、淡水和竿全般他、丸竹ロッド、海釣和竿にも使え、又、インロー継ぎ手の芯材としても欠かせない竹です。中〜太物矢竹の天日干しには、かなりのスペースが必要となりますので、田畑を利用して竹干しを行っています。矢竹の古竹材の場合は、伐採後そのまま日干ししても際支えないですが、渓流竿などに使う若竹の場合は、干す以前に、晒しと呼ばれます研磨作業を行う必要があります。