丸竹エギングロッド 基本仕様解説

マテリアル(素材)仕様

 今回作品は、総布袋竹仕様であります。布袋竹は、しなやかでありながらも弾力性に富み、又、テーパーが強めの竹でありますので、仕掛負荷が比較的大きいエギングロッドには適した素材であります。布袋竹製の竿は、先端の節部が弱点と成りがちでありますので、トップ部分を化学素材で継いだ竿が多いですが、今回作品は先端部分に補強処理を施した全竹ロッドであります。合成手法の竿は確かに丈夫ではありますが、竿全体のバランスや使用感は全竹仕様の方が断然優れております。

ガイド仕様

 ガイドは、細番手のPEラインでも糸柄みし難いタイプを採用しております。又、ガイド配置も竿全体のバランスのみに着目していた在来の手法を見直し、素材の強度バランス(節部と節間部の強度関係)をも考慮したセッティングにしております。

リールシート仕様

 リールシートは、エギングロッドを含めルアーロッドでは、リールの固定力に優れるスクリューシートがメインとなっておりますが、スクリューシートでは構造上どうしてもシート部分をホールドしなければ成りません。その点、プレートシートではグリップ材をしっかりホールドする事が出来ます。その他にもそれぞれ一長一短があるとは思いますが、今回作品は使用感、特に繊細なタッチ感覚に優れるプレートシート仕様のグリップを採用しております。近年のプレートシートは、固定性能も向上しておりますので、ストレスなく使用出来ます。

グリップ仕様

 今回作品のエギングロッドをはじめ、当工房ではグリップの構造は、ブランクをロッドエンドまで通した柔軟構造仕様のグリップを採用しております。キャスト時には、グリップ部分もブランク部と同様に「しなる」ことで反発力を増幅させ、キャスティング性能を高めています。また、キャスト&フッキング時の衝撃を、同じくグリップ部分も「しなる」ことにより、ロッド全体で吸収させ、ブランクへの負担を軽減させています。グリップのフォルムは、操作性の考慮は勿論のこと、何よりロッドパワーとのバランスを重視して作製しております。竹竿の場合一本毎に微妙にアクションが異なりますので、それに合わせてロッドを継いだ状態で全体のバランスを確認しながら削りだしております。


塗装仕様
 
 当工房では、丸竹ロッドの塗装には、全て本漆を採用しております。今回作品は、格調高い総国産漆塗りの繊細優美な仕上がりでロッドのムードを高めております。国産漆は高価ではありますが、光沢に優れ、機能的にも強度があり補強効果も高く、竹材との相性の良さはピカイチであります。


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